sam113のアクションゲーム研究室

おもにフリーや同人、インディーズなどでアクションゲームを作っている方に向けて、アクションゲームを作るヒントになるような情報を発信していきたいと思います。

レベルデザイン論2 ~自由に遊べる運動場~

空を自由に飛びたいな

レベルデザイン論1では古典的な2Dアクションゲームのレベルデザインについて取り上げましたが、今回はまた違った視点からステージ設計について取り扱います。

良くできたゲームは、キャラクターを動かしているだけで楽しいものですが、ステージデザインがそれを許してくれない場合があります。自由に空を飛べるゲームなら、飛ぶための広大な空が欲しいし、乗り物を乗り回すゲームなら、走るための長い道が欲しくなります。たまにはそうした、ゲームの難易度など無視した自由になれる瞬間があっていいはずです。

ステージ設計の基本は「緊張」と「緩和」にある、と前回述べましたが、時にはそれを崩してみるのもいいものです。

自由に遊べる運動場としてのステージ設計

こうした自由に動ける空間は、いわば自由に遊べる運動場です。キャラクターを動かす楽しさを存分に味わえる場所を提供することでゲームの楽しさをより豊かに広げることができます。

古典的な2Dアクションゲームのステージの中にも、こうした空間を無理なく組み込むことは可能です。特別に自由度の高いステージを用意する方法もあれば、一つのステージの中に自由に動き回れる空間を併存させる方法もあります。

この空間の併存のさせ方が非常にうまいのがスーパーマリオブラザーズ3です。
このゲームではしっぽマリオになれば自由に空を飛ぶことができますが、そのための空はほとんどのステージの上空に広がっています。ただし空を飛ぶためには長い距離の助走が必要で、いつでも飛ぶわけにはいきません。しかし一旦離陸に成功すればどこでも自由に飛び回る楽しさを味わえるというわけです。

このゲームには他にも「滑り落ちるための長い坂道」のような、純粋にアクションの楽しさを味わうためのポイントが随所に出てきます。

そのゲームで本当に楽しませたいことは何か

キャラクターを動かす楽しさに主眼を置いたゲームであれば、そのための舞台を用意するべきです。こうした発想に基づくステージ設計は、「緊張」と「緩和」の考え方に基づく設計方法とは異質のものですが、両者は共存することが可能です。
ステージのどこのポイントでどんなアクションを楽しませるのかを考えて設計するのがよいでしょう。